エクアドル
2019年10月の蜂起を経て
先住民決起と軍の衝突にも可能性
デシオ・マチャド
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選挙不正への
抗議続く中で
この記事が書かれている今、エクアドルの先住民運動は、全国選挙管理会議(CNE)の各州代表団の前における、数千人という人々のさまざまな平和的なデモに集中している。彼らは、票集計プロセスを透明にし、多数の混乱した選挙記録に関する的を射た疑いが晴らされること、を求め続けている。エクアドル民主主義の統治機関に責任を負っている者――ほとんどが保守的な政治諸部分により指名された――たちがこの要求を否認し、遅らせてきた中で、先のすべてが起こっている。
2月7日の大統領選挙では、はじめ、パチャクティク運動から立候補した先住民候補者、ヤク・ペレスが第2位の票を獲得し、彼が決選投票でコレア主義の相手に浮上するものと思われた。しかし票集計の進展は、2月9日午後までにこれをひっくり返した。金融界の大物でエリートたちの候補者であるギレルモ・ラッソが、ペレスをほんの少し上回る票で、4月11日に行われる予定の選挙で、前コレア主義派閣僚であったアンドレス・アラウスの相手になった。
先住民運動の疑いは、集計プロセスで最後に残った地域が社会的クリスチャンの歴史的な領地であったグアヤス州であった、という事実を基礎にしている。その地は、ラッソの立候補と連携した沿岸部右翼層の地であり、伝統的に彼らによる諸々の選挙不正で知られている。グアヤスでは、不一致を示す記録が前回選挙における5%から今回は20%になるまで伸びた。こうして、かなりの票数が(CNE)のなすがままに残された(注)。
先住民有権者の立会人が語ることによれば、この日々の遅い集計作業の中で、いくつかの票のつまった袋や不一致のある選挙記録のかなりの部分が――右翼の代表によって占められたこの機関のメンバーによる共謀の下に――取り替えられた可能性がある。とはいえこれはまだ証明されていない。
最も重要な特徴
新たな政治地図
この状況以上の真実は、またペレスとラッソ間の極めて僅かの票差を前提として、2月7日にエクアドルの民衆が、この国でこの14年を特徴づけてきた社会的・政治的分割、つまり2つの明確に対立した政治分派間の2極化、と決裂を果たした、ということだ。そこでは一方に、今はベルギーに亡命している前大統領、ラファエル・コレアの分派と彼が率いる政党組織があり、他方には、CREO党党首のラッソが代表する親ビジネス右翼の分派がある。
人気者の候補者、アラウスがそれをもって決選投票を回避しようと期待した選挙スローガン、「第1回投票で」にもかかわらず、彼の党は300万票しか得ることができなかった(有効票の32・6%)。ラッソと無所属候補者のペレスは、各々約180万票を獲得した(得票率は19・7%から19・5%の間)。4番目は、このキャンペーンまでは無名だった若い実業家で、社会自由主義政党のイズキエルダ・デモクラティカ(ID)から立候補し、約150万票(得票率15・7%)を得たザビエル・ヘルバスだった。大統領に挑戦した他の12人の結果は取るに足りないものだった。
コレア派候補
と先住民候補
開発主義に対置された、また新たな伝統政治に対置された、反採掘主義の対抗がこうして、はじめはコレア支持者と中傷者間のぶつかり合いに支配されたように見えたシナリオの中に表現された。この裂け目は、パチャクティクによって、および近年に腐食してきた政治的風景上の一つの古い政党のIDによって達成されたものの中に具体化された。
この現象を理解するためには以下のことを認めなければならない。つまり、両勢力の候補者は彼らのキャンペーンに、伝統的政治ではもはや代表されているとは感じていない住民部分を結びつけたのだ。ペレスは、高地とアマゾン地域における彼の成功以上に、「パチャママ防衛」という彼の環境保護メッセージを通して、特に都会の若者内部で一定の影響力獲得を達成した。他方ヘルバスは、自身を刷新の指導者として押し出した。加えて両者は、他の候補者と対立する形で、レイプを理由とする中絶の権利を擁護した。他の者たちは、その合法化への反対を選択するか、その問題に直接触れることをしなかった。
パチャクティクは、キャンペーンの中で彼らが提起した経済計画の欠陥――コレア派が提起したものよりさえ変革的でない――に対する競合相手の批判を、IMFとレニン・モレノ政府に対決した2019年の先住民蜂起で蓄積された政治的資本の保管人として現れることで補った。こうしてペレスは都会の多くの民衆層内で、既成エリートメンバーとしてではなく、「人民」の一部、「われわれのひとり」と見られた。
この選挙におけるパチャクティクが得た結果――以前の選挙での得票率は約11%――に関して驚くことは部分的に、2020年にコヴィッド19が原因で公式数字として記録された1万5000人以上の死の後に残された、多くのエクアドル人家族の苦痛が生み出した政治化の効果だ。そしてその苦痛とは、統計・国勢調査所によれば経済的稼動人口の少なくとも83%が苦しんでいる現在の加速度的失業増加と職の不安定化、家族の重債務化を引き起こしつつある中間層と中間下層の恒常的購買力喪失、エクアドル人のほぼ38%に影響を与えている貧困の高まり、ユニセフの数字によれば昨年に6%の高まりを見せた不平等の増大、といったことだ。
この脈絡の中で、CONAIE(エクアドル先住諸民族連合)の選挙戦線として1995年に創立された先住民の政党はこうして、その選挙に関する歴史上最良の結果を得ることになった。そして国会内での2番目に大きな政党になったのだ。
進歩主義運動を
誰が推進するか
ラファエル・コレア政権(2007―2017年)の10年における社会的抗議の犯罪化、および彼らの地域を守る抵抗として権利を行使した先住民指導部のかなりの部分に対する法的手続きの開始は、現在2つの政治的分派間の理解を不可能にしている裂け目を広げることになっている。この脈絡の中で、先住民運動内部の対立は避けがたいように見える。ペレスと彼の側近は右翼との間で反政府戦線を交渉することにより開かれ、投票所の再開と紛争があると彼らが考えている7つの州――特にグアヤス――での再集計という立場を維持しているが、他方CONAIEのもっとも戦闘的な部分、2019年10月の民衆蜂起を率いた者たちは、決選投票でラッソ候補を支持することはほとんどないと思われる。
同時に、コレア派の側も先住民運動との対立を優先しているように見える。コレア派はその運動を、進歩的な10年の中で設立された制度的な枠組みの解体――この4年にわたって遂行された――に共謀していると責めているのだ。左翼の主な2つの選択肢間にあるこの苦い争いは、先の選挙では民衆的な支持を20%しか得なかった新自由主義右翼のために道を清めるかもしれない。
しかしながら、先住民運動内部に諸々の違いがあるとまさに同じく、コレア派すべてが、ラファエル・コレアが自ら率いる反パチャクティクの対立的な立場、を共有しているわけではない。彼の元閣僚で大統領候補のアラウスはこれまで、先住民運動だけではなく、IDが代表するリベラルな社会民主的表現をも統合する、幅広い戦線の形成を求める永続的な呼びかけを行ってきた。事実、コレア派の隊列の中には、古い活動家と新たな進歩主義活動家間の、近年ボリビアで見られたものに似た一定の緊張がある。
ほぼ確実な
危機の激化
このもつれに際しては、エクアドルの政治的行き詰まりがどのように解決されることになるのかを知ることは難しい。実現しそうに見えるシナリオは、投票所再開と再集計というペレスの主張に向かうもののように思える。パチャクティクが糾弾する申立の不正がもし証明されるならば、決選投票でのコレア派の競争相手はペレス自身となるだろう。そして彼は、彼の票の取引として経済エリートと交渉しなければならないと思われる。しかしこれは、先住民運動内での深刻な緊張に導くだろう。
ラッソの決選投票進出が確証された場合、ペレスは、いくつかの第2級的省庁人事と引き換えに、彼への支持を言明するかもしれない。それは、これまでにパチャクティクが犯したことのある政治的過ちに加わるものになるだろう。しかしながらあらためて、そのような立場――この国のエリートと歴史的に忘れ去られた者の連合――が、先住民の力を集めた実体のある組織的な構造であるCONAIEによって支持されることは難しいように見える。
最後に、ペレスが要求する票集計が実現しない場合、2019年10月のもののようなエピソードが繰り返される可能性が考えられる強力な先住民の決起には確実性がある。他方でこのようなシナリオはまた、国家治安機関によるその後の弾圧をも、そして新たな選挙までの事実上の臨時政府強要を伴う、ボリビアのシナリオの可能性さえ意味するだろう。それは疑いなく、IMFが求める経済諸方策のパッケージを強要したいと願っている者たちには好都合な場合だ。しかしそれは、エクアドル人の圧倒的多数の支持を欠いているのだ。
この政治的危機に加えて、コロンビアからの告訴に基づいた、アラウスのキャンペーンの資金に関する調査という、国家検事総局による公表もある。当該国の保守派の利益に連なっているセマナ誌によれば、民族解放軍の反乱分子がコレア派の選挙キャンペーンに約8万ドルの寄付を行ったとされている。ゲリラの問題、およびそれらの合法的な進歩派との結びつきとされるものに関係する諸問題に関するこの出版物の信用度がこれまでに大きく減少し、これまでのところ告発に発見物はないにもかかわらず、次のことははっきりしている。つまり、次の議会に向けて保守の色合いをもつ政府選出の達成には、エクアドル政府とこの地域の連携勢力にとって大きな利益がある、ということだ。(2021年2月12日)
▼筆者は、政治ブロガー。(「インターナショナルビューポイント」2021年2月号)
(注)コンセホ・ナシオナル・エレクトラル(CNE)は、コレア主義と右翼に共感をもつ公職者によって支配されている。
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